読みました。 www.amazon.co.jp
面白かったです。
人間はソフトウェア(心)とハードウェア(身)に相当する部分があり、ここで出てくるフロイトとアドラーの心理学はソフトウェアの部分の研究をされたんですね。
フロイトとアドラー、それとユングはフロイトの提唱した無意識の心理学に賛同した共同研究者であったのが、無意識を研究していくうちにそれぞれの主張が異ることになり、結局は別の道を歩むことになったようです。
フロイトは無意識にある性的欲求を根源とする原因論的な心理学で、原因となる無意識を意識することで、問題をコントロールできるようにすることを目標としていると理解しました。
アドラーは問題となる行動は無意識に自ら望んだ結果、そのような行動を取っているという目的論的な心理学で、個々人それぞれの目的に合せた対処なり対応が必要という考えなんだろうなと理解しました。
100年前に、そういう学問を立ち上げた初期段階に専門的に研究していくなかで、それぞれの主張が相容れなくなり、フロイトとアドラーは精神分析学と個人心理学という別々の理論を提唱することになったというのは、それはそれで必然だったんだろうなあと思いますし、それぞれの研究を進めた結果、最終的には統合されていくんだろうなあという風にも感じています。
今は、フロイトやアドラー、ユングの系統の心理学と、身体的な病理学的なをスペクトラム的に捉え、それぞれの人の問題にあった対応ができるような環境ができつつあるのかと感じている。ジェネラリスト的なお医者や、カウンセリングを中心にした認知行動療法を行う心理士も注目されてきているし、昔にくらべて良い時代になったもんだと、この本を読んで思ったしだい。